三国志 (8)
吉川 英治

定価: ¥ 798
販売価格: ¥ 798
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発売日: 1989-05
発売元: 講談社
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終わり方がすばらしい
吉川英治の三国志シリーズの最終巻。
すでに、三国志(1)に登場していた英雄達は去り、それらの遺産を引き継いだ者たちの戦いが描かれている。先帝の遺志によってつきうごかされる天才・孔明と、孔明の才能をフォロー仕切れない無力な者達とのもどかしさが一番印象に残った。
それほど興味を持たずに読み始めた三国志なのに、すっかり夢中になってしまった。三国志に中毒になるのもよくわかる。
蜀の終焉
長きにわたる三国志。劉備玄徳から始まり、諸葛孔明にまで受け継がれた物語も終焉を迎える。一巻から蜀中心だったが、蜀の終焉と共に話が終わる。この巻では、孔明の天才軍師ぶりが相変わらず発揮されている。また彼の苦悩も。いろいろ考えさせられるシリーズ。
三国志本の定番
いまさら私なんかが言うまでもなく、近代日本における三国志本の
嚆矢にして金字塔です。「近代日本の三国志」史はこの本に始まる
といってよいのではないでしょうか。
「小説としての完成度」という点でいえば、この本を凌駕するものは
いまだ無いと言い切れます。かろうじて「亜匹」するのは北方三国志
ぐらいではないかと。
無論この本にも欠点があります。
・歴史的視野/観点の浅さ、狭さ
基本的にそれまでの演義の構図を忠実に踏襲し、それを破壊する
といったことはしておりません。解釈の深さや視野という点では
かなり下のレベルであるといえましょう。
・荒唐無稽さ、破天荒さの無さ
その気になればこの話は、とてつもなく荒唐無稽で破天荒な路線
でつっぱしることも可能でした。
しかし、近代人である吉川さんにとって、例えば赤壁で風の向き
をかえるというのは説得的ではなく、ある時期だけ風向きがかわ
るというようにしたのでしょう。演義の内容を近代的知性で許容
できる範囲に収めたためとしたため、荒唐無稽で破天荒な物語に
はなりませんでした。
ただ、あとがきではっきりと曹操が(前半の)主役であると言い
切ってるところなどは、さすがと思わせますね。