龍馬の夢は君たちの夢―龍馬に学ぶ夢と希望の人生
百瀬 昭次

定価: ¥ 1,260
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発売日: 2004-01
発売元: 学習研究社
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自己変革が世界を変える?
小学校高学年・中学生向き。タイトルから坂本龍馬の偉人伝記かしらと思ったのですが、そうではありませんでした。江戸から明治にかけての激動の時代に生きた偉人、坂本龍馬を手本として、彼のように「夢」を持ち、どのようにしたらそれを実現できるかを学ぶべきだと、百瀬さんは日本の若者に訴えかけているのです。
第四章の「龍馬に学ぶ、学校生活の生かし方」は毎日の学校生活に実践的に役立つと思います。何をやっても三日坊主の私も、百瀬さんの目標到達のパターン(成功曲線)を見たときは、「継続」の力を信じて頑張ろうと励まされました。
個人的には、「・・・のおかげです」「・・・生かしていただいていることを忘れてはなりません」のような表現がときどきあって、お寺の住職の説法でも聞いているような不思議な感じでした。
竜馬に仮託した百瀬氏の自伝
「夢」を持つことが人を人間らしくさせることを,坂本竜馬を事例に解説した本です。百瀬氏が「(竜馬には)若いみなさんをはじめすべての現代人の手本になるものが全部そろっていて、これ以上の手本はないといっても言い過ぎではないでしょう(P. 4)」と述べるように特に若者を対象とした本です。
坂本竜馬は日本史の中でも重要な人物です。竜馬なかりせば江戸城無血開城や大政奉還、日本の近代化は別の形になったでしょうが、一般に流通する竜馬像は多分に美化されている感が否めません。これは(1)現代日本の企業や公共団体はかつての藩の例えられ,藩仕えの武士とサラリーマンの精神構造には基本的に大差がないこと(グローバリゼーションという外圧で変わりつつありますが…),(2)竜馬が「組織から自由となり、それでいて時流に沿った大事を成す」というサラリーマンの理想像を体現していること,(3)竜馬が暗殺されており,西郷隆盛を除く他の元勲らの様に明治政権を担わなかったこと(権力臭のなさと判官贔屓),が挙げられます。つまり,竜馬は人気が高く,脚色し甲斐のある人物であるため美化され易いと考えられますが,過剰な美化には賛成できません。人間は英雄であれ,凡夫であれ天与の才と汚らしさを同時に有しているのですから。若者に夢の大切さを説くという本書の問題意識には賛成ですが,それにしても竜馬のプラス面のみに偏りがちと言わざるを得ません。
しかし、本書を単なる竜馬礼賛本と一線を画するものとしている点は、著者の百瀬氏が当時の花形企業である日本製鉄から教育の荒廃に取り組むという志を持って独立しているという事実です。これは非常に勇気のいる行動であり、百瀬氏自身が竜馬の生き方から示唆を得ていたことは想像に難くありません。そうした百瀬氏が竜馬に仮託してご自身の思いの丈を述べた本と捉えて読むとしっくりくる本です。