源義経―源平内乱と英雄の実像
源義経―源平内乱と英雄の実像
上横手 雅敬

定価: ¥ 1,155
販売価格: ¥ 1,155
人気ランキング: 98026位
おすすめ度:
発売日: 2004-11
発売元: 平凡社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
上横手 雅敬

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悲劇の英雄を時代のなかでとらえる
バブル期に出版された豪華本の文庫サイズ化。当然ながら小さい。オールカラーだった写真や図版はすべてモノクロになってしまった。オリジナルが高精細だったためモノクロでもかなりきれいに出ている。絵巻物、能や歌舞伎の舞台写真、甲冑や史跡の写真などで、それぞれに懇切な解説がある。
源義経の生涯はほとんどが伝説に彩られており、源平の合戦における活躍以外は史実として信ずるに値するものがない。本書は各地に伝わる義経伝説や『義経記』『平家物語』『源平盛衰記』『玉葉』などを手がかりに義経の生涯を明らかにしていこうというもの。史書である『吾妻鏡』を、伝説の引き写しが多い、執権北条氏の意向が反映された創作として退けている点、源氏の成立から滅亡までの長いスパンのなかで義経の生涯をとらえようとしている点に特徴がある。
美男子で悲劇の英雄というイメージはくつがえされる。われわれが持っている一般的な義経像はおとぎ話でしかない。頼朝・梶原景時=悪、義経・弁慶=善という単純な図式も物語化の過程で生じたものにすぎない。そもそも弁慶という僧は実在したのか。子どものころ『牛若丸』を読んでインプットされた義経像は後世のさまざまな創作が総合されたものだった。
類書が多いので比較すると内容があっさりしているように感じられる。ただ読み手に予備知識が少なくても理解できるというのは利点であり、これから初めて義経の実像に迫ってみようという人にはおすすめだ。武家政権誕生の頃の文化を知ることもできるので、日本史に興味のある方も楽しめるだろう。