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完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)

完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)
ルイス フロイス
完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)
定価: ¥ 1,200
販売価格: ¥ 1,200
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発売日: 2000-01
発売元: 中央公論新社
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フロイス氏の旅行記?
一読して宣教師ルイス・フロイス氏の旅行記のような印象を受けました。
「○○殿に面会した。」「○○という船に乗って、そこでは・・・」という記述の中には
重複するような部分もあり(フロイス氏は何度もいろいろな殿に会って、キリスト教の布教の許可を頼んでいる)少し眠くなるかもしれません。
仏僧との宗教談義では、初めてキリスト教の西洋の世界観の説明を聴いたこともない僧侶たちが戸惑う様子が伺えます。当然キリスト教徒から見れば異教徒ですから「邪悪な」などの相手を見下した文章でもあります。改宗した大名には好意的です。実体験と伝聞情報、そのなかには「彼が聞いた当時の民衆が○○殿、足利将軍などをどう見ていたか」が、彼の主観でありますが書かれて残っているのが貴重な資料でしょうか。冒頭の解説では一部発見されていない、または消失した章があるのとのことですが、残念でなりません。松永霜台の軍勢に立ち向かって剣を振るった足利将軍の勇敢さと、戦国の世とは云え、身ごもった足利将軍の正室を斬首する行為には特に印象を受けました。

総タイトルが問題だが、きわめて貴重な資料。
たいへんな労作で、同時代の資料として貴重であるのは間違いない。
ただ、これに『日本史』というタイトルが付いているのが問題だ。
いかなる歴史書も、書き手の主観を排除することなどできないが、
それでもここまであからさまな主観(異教徒から見れば偏見)で徹底されているならば、「日本史」という看板は下ろすべきだろう。
実態は、一人の宣教師の滞日数十年間を綴った「手記」であって、
たとえば同時代の日本人のものでは山科言継『言継卿記』や、吉田兼見『兼見卿記』、勧修寺晴豊『晴豊公記』などと同列の「日記」である。
フロイスの上司にあたるバリニャーノから「冗長すぎる」として公的記録としては評価されなかったようだが、
個人の「日記」としてとらえれば、むしろそこにこそおもしろさがある。
一宣教師にすぎないフロイスが、気負いに気負って、信長を始めとする名だたる武将や堂上公卿と交流し、彼らを評するくだりなどは、他の資料では見えない面が浮かび上がってなんとも興味深い。
好意も悪意も、ここでは隠す必要がないから実にあからさまで、だからかえって事実関係に嘘はないと逆に判断できる。
本書の値打ちは、この「偏見」にこそあるだろう。

年よりの暇つぶし
 カソリック宣教師の、優越感蔓延の本です。いかに、フロイスが、「日本人は勤勉で知的な民族である。」と書こうとも、言葉の端々から、「このサルどもめ!」という匂いがプンプンと漂ってきます。
 ただ、日本人が知っている(と思っている)室町安土桃山時代を、別の視点から見させてくれます。この時代の風俗を、西洋のの視点から説明してくれているので、おもしろいし、興味深いものです。我々日本人が当たり前として見過ごしていた室町安土桃山時代の風俗を改めて認識させてくれます。
 問題は、これを歴史書としていいかどうかなのです。歴史の資料としてはかまいませんが、これを歴史書とするには問題があると思います。
 私のような、年よりが暇つぶしにこれを読むのはかまいません(私は、実際暇つぶしの時に読んでいるので全12巻読み終えるのはいつかわかりません。)が、若い勉学中の方は、よりまともな歴史書を読むことをお勧めします。(はっきりいいますと、全体の基調は、「異教徒は非業の死を遂げて当たり前」、「クリスチャンは神に守られ、たとえ死んでも、それは神に嘉せられてゼウスの意志によって恩寵を受け天国に参らせられる。」という論調です。)まともに、読む本ではありません。くれぐれもこの本で歴史の勉強をしようなどとは思われませんように。
 ただ、この本を完訳された翻訳者の方々の努力は刮目すべきものです。この訳業によって、我々のような、語学に稚拙な者でも、中世の西洋人の考え方がわかるのですから。まともな、原稿がない状況で、それを、丹念に収集し、かつ、まとめ上げて翻訳するということは、尋常な努力ではなせなかったと思います。その点はすばらしいと思いますし、このような本は滅多に出てこないと思います。絶版にならないうちに買っておくこと(たとえ今すぐ読まないとしても)をお勧めします。

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