阿川弘之 山本五十六
阿川弘之 山本五十六
司馬遼太郎に依れば、織田信長にしても、坂本竜馬にしても、歴史は、その時代が必要とした人物を輩出する、となるが、では、山本五十六は、激動の時代の中、どういう使命を帯びて、この世に出たのか・・・? そして、何を残して去って行ったのか・・・? 歴史に、「もし」は禁物ではあるが、信長、竜馬とならんで、「もし」五十六が戦死していなければ、そう考えさせられる歴史的な人物の1人であると、私は思っている。日本海海戦から真珠湾攻撃を経て太平洋戦争に突入した日本帝国、アメリカ留学経験があり、先見性を備え、しかし、ギャンブル好きで、涙もろくて、練習中の航空訓練生の死に、身悶えるほどの悲しみを表す、愛すべき、人間味のある、五十六。
軍艦主義は時代遅れであり、制空権の支配が戦いの主流となると説き、
アメリカとの戦争に最後まで反対し、しかしながら同時に、真珠湾攻撃を立案・・・
第二次世界大戦に際し、彼の先見は、大戦の渦中での山本元帥は・・・
我々後世の人間が、大きな歴史の動きを把握する時、
その当時の独りのキーマンを設定し、彼の言動、判断を見ることで、
歴史のある面が鮮明に浮かび上がる、この作品は、著者の友人に依れば、
「山本五十六」ならぶ、「阿川五十六」とも言われるほど、著者の、
かなり山本元帥に傾倒したスタンスも見られるが、
日本史の認識には、とても良い作品と思う。
尚、余談であるが、マヨネーズや、サラダオイルのTVコマーシャルで、
「檀ふみ」と、絶妙なかけ合いをしている、
司会業もこなすタレントの「阿川佐和子」、彼女は、著者の娘である。