Top >  歴史小説感想記 >  渡辺淳一 静寂の声

渡辺淳一 静寂の声

渡辺淳一 静寂の声

「乃木大将」、この名前を知らない日本人が、近年は随分と多くなったと思う。 日露戦争203高地の激戦でも有名な、日本の将軍で、明治天皇崩御の時に夫妻共々、殉死した事で有名である。 子供の頃、この「乃木将軍」の事を、教えて貰い、その生き様が、どうしても子供心には、理解、納得が出来なかった。 何故、この人物を、子供の頃に理解出来なかったのか・・・ それは、自分の息子2人を、203高地で殉職させているからである。 「大将」とは、「軍隊」とは、「戦争」とは、それが理解出来なかった。 何故、親が子供を見殺しにするのか・・・? 後年、「大将」という立場から、泣く泣く我子を戦地に、死地に向かわせた、その状況だけは、理解は出来た。

が、その後の彼の人生の、人の親としての心境は・・・
私は、この小説の最後に、その「答え」を見た。

そこを読んだ時、溢れる涙で、文字が見えなかった。
ちなみに乃木希典(まれすけ)は、1907年から学習院の学長も務めているが、
東海地方の有名な観光スポット、「明治村」には、
その乃木学長の学長部屋が移設されており、
室内には、乃木学長の写真が掲げられており、それを見た時の感慨は、ひとしおであった。

本書、「静寂の声」は、著者の医者としての、仮説小説である。

歴史小説感想記